本記事は、2010年12月18日に掲載された、G-Search sideB記事を再掲載しています。
2006年12月に任天堂の「Wii(ウィー)」が発売されてから4年。
”体感型ゲーム”の王者に続けとばかりに、今年10月にソニーからPlayStation3用の「Move」が、11月にはマイクロソフトからXbox360用の「Kinect(キネクト)」が発売されました。
いずれの機器も直感的な操作がウリで、ゲームに「動き」や「傾き」といった要素を取り入れ、自分の体全体を使ってゲームを遊ぶことができるそうです。
どちらも所持していない筆者がCMやテレビなどで見る限り、ゲームのラインナップや操作方法など、「Wii」を意識しているのはまず間違いないのですが、そのせいでしょうか「キネクト」、「Move」両者は何だか似ているなぁという印象。
今回はそんな「キネクト」、「Move」の違いと特色をG-Searchの新聞・雑誌記事横断検索で調べてみることにします。
コントローラーとカメラで動作をとらえる「PlayStation Move」
「Move」は長さ約20センチの「モーションコントローラ」に3種のセンサーが内蔵され、手首の動きや傾き・スピードを感知。
先端の「スフィア」というピンポン球大の発光球をUSBカメラで検知することで、プレイヤーの位置や素早い動きを正確に把握することができるとか。
コントローラに各種センサーが組み込まれているという点では「Wii」と似ていますが、肝心なのは「スフィア」。
USBカメラで撮影した映像に「光」によって自分の絶対的な位置を教え込むことで、位置関係の割り出しやポインティングデバイスとしての利用を可能にしています。
位置関係が常に分かれば、カメラで取り込んだ映像からも光点の動きによる「入力」ができ(例えば△の図を描くなど)、更にはカメラ付属のマイクから音声入力も可能だそうです。
現在では「ナビゲーションコントローラ 」という細かい移動や操作を可能にするコントローラーも発売されています。
例えば、「バイオハザード5 オルタナティブエディション」というゲームでは左手のナビゲーションコントローラで移動、右手のモーションコントローラで選択、決定というスタイルで落ち着いてじっくり遊ぶこともできます。
直感操作と高精度感知を兼ね揃えたコントローラと、豊富な入力デバイス。
更には家庭用ゲーム機「PlayStation」で培ったブランドとPlayStation3独自の美麗なグラフィックを活用したソフトラインナップが「Move」の強みとなるでしょうか。
コントローラー要らずの「Kinect」
「Move」に対して、「キネクト」はコントローラーが必要ありません。
内蔵のカメラやモーションセンサーでプレイヤーを認識し、体の動きだけでゲームを遊ぶことができます。
ゲーム中の選択や決定も体で行い、例えば選択ならば「右手を左右に振る」決定ならば「右手を上にあげる」など。
他の体感型ゲームと違い、身体全体を認識できる点も特徴で、飛んだり跳ねたりするといったダイナミックな動きも可能。
「ダンスエボリューション」というソフトでは、音楽に合わせて画面上のキャラの動きをトレースすることで、本当に踊っているかのように楽しむことができるとか。
しかしながら、コントローラという入力装置がないため、繊細な操作や、機敏な反応速度という点は若干難しいようです。
この点は今後に期待ですね。
何よりもコントローラを使わず、体全体でゲーム空間に入り込んで楽しめるのが「キネクト」の特徴でしょうか。
なお、「キネクト」はファミリー向けとしてデザインされている面があり、欧米などでは家族向けの需要が多いそうです。
日本でいう「Wii」の位置を狙っている、というところでしょうか。
まとめてみると
「Wii」「Move」「キネクト」が揃い踏みとなった体感型家庭用ゲーム機。
それぞれの違いや特色は、短くまとめると
「高性能なコントローラを備え、家族からゲーマー向けまで幅広くカバーするMove」
「コントローラー要らずの独自要素と躍動感で新規層開拓を狙うキネクト」
といったところでしょうか。
個人的に興味を持ったのはキネクトですが、「跳んだり跳ねたりという動作は狭い日本だと厳しい」だという意見が周囲でちらほら。。
なるほど、集合住宅なら上下階に迷惑だし、そもそもジャンプできるほどの広さを持つリビングがあるのか?という、意外なところがネックになるかもしれません。
これも日本と米国の住宅事情の違いでしょうか。
それはさておき、「直感操作で友達や家族とわいわい遊べる」これらの体感型家庭用ゲーム機。
筆者もお試しでプレイしたことはありますが、自分の動きがダイレクトにゲームに反映されるのって意外と面白いんです。
機会があれば遊んでみることをオススメします。
従来のコントローラとは異なる(あるいは使わない)ゲームスタイルが今後どのような進化を遂げていくのか、注目していきたいですね。