本記事は、2011年1月27日に掲載された、G-Search sideB記事を再掲載しています。

ウイスキーのソーダ割りである「ハイボールブーム」のブームが衰える事が無く続いている。飲み屋だけでなく、家庭までにも浸透してきた「ハイボール」のブームを生んだのがサントリーだ。今回は、そのヒットの裏側について、G-Searchミッケ!G-Searchデータベースを使って調べてみた。

人気の火付け役はサントリー

ハイボールとはウイスキーとソーダを薄く割って、レモンを搾ったお酒だ。ウイスキーといえば、重々しい飲み物というイメージがあるが、その重い飲み口から「スッキリとした飲みやすさ」に転換した新商品だ。

ウイスキーを、ビールのように大きなジョッキに入れてごくごく飲む新しい飲み方を打ち出したところ、これまでウイスキーを飲む習慣がなかった20~30代の支持を得て、新たな消費者を開拓したのだ。また高齢層にもウイスキーブームの懐かしさもあって飲まれるなど、各方面で人気を集めている。

ブームによって、飲食店でのハイボール取扱い店舗数も全国規模で拡大。09年は08年に比べて約4倍となる6万店にまで急増。10年は「ハイボールの拡大と定着化」を課題に据え、店舗数を10万店にまで広げる方針だという。

家庭用市場でも、サントリーではハイボールの原液となる「角瓶」が、09年実績を前年比31%増の227万ケースと伸ばした。10年は同19%増の270万ケースを目指すという。

実際、10年の1~8月累計の販売数では、サントリーの「角瓶」は53%増と高伸長を見せている。

ブームの原因

そもそもウイスキー市場はハイボールがヒットするまで大低迷にあった。 「オヤジ臭い」「飲みにくい」「食事に合わない」といった悪いイメージも定着していた。サントリーが「なぜ売れないか」を検証したところ、ウイスキーが「2軒目需要」となっていた事が発覚したという。

つまり、居酒屋など1軒目ではビールが飲まれ、さあ2軒目というバーなどで、ようやくウイスキーが飲まれるという事だ。確かに居酒屋でウイスキーを飲みだす人は見かけない。

そこでサントリーでは「1軒目に食い込む」事を目標にウイスキーの復活を目指した。 改めて市場調査をしたところ、提供者が考える「美味しさ」とお客さんの「美味しさ」の大きなギャップが見えてきた。

サントリーではウイスキーのアルコール度合いの”黄金比率”として、水割りやロックで「12%」程度と伝えられてきていた。それが消費者調査によると「8%」程度が一番美味しいという結果が出た。さらに、そこにレモンを軽く絞ると好評だったという。

メーカー側と消費者が考える美味しさが全く違ったのだ。

ハイボールには、爽快感があり、飲み口が軽く、食べ物との相性がいい。
リリース後のプロモーション活動も効果的に実施され、見事1軒目から飲まれる飲み物となったのだ。

ところでハイボール。
家で飲むにも最適なお酒なのです。

ハイボール一杯を作るのに使用するのは、ウイスキー約30ミリリットルとソーダ水約90ミリリットル。1杯あたりのコストは100円以下。カロリーも1杯83カロリーでプリン体も少なく、節約と健康の両面で最適な飲み物なのです。

参考