本記事は、2009年10月2日に掲載された、G-Search sideB記事を再掲載しています。
15年前、恋愛シュミレーションゲームの元祖とも言える「ときめきメモリアル」を発売したコナミから、DS向け新作ゲーム「ラブプラス」が発売された。これが主にネットでの口コミを中心に評判となっているという。
従来の恋愛シュミレーションゲームと比較して「草食系男子向け」とも言い表される「ラブプラス」。ネットで共感を呼び合う斬新なゲーム性とは何か?G-Searchの『新聞・雑誌記事横断検索』を使い調べてみた。
女の子から告白される、草食系男子のゲーム
ラブプラスはヒロインとの交際を日常として楽しむゲームだ。ゲーム内で進行する時間は、DSの機能である「リアルタイムクロック」により現実の時間や季節と連動する。例えば午後3時にゲームを起動すると、ヒロインはクラブ活動をしていたり、朝であったら一緒に通学する為に待ち合わせをしたり、ヒロインと時間を共有するかのような感覚が持てる。
また3Dで表現されるヒロインは、画面の中で常に仕草を変えて動く。旧来の恋愛ゲームで知識が止まった筆者のような人間には、細やかなリアクションに衝撃を受ける。
もちろんDSならではのタッチペンやマイク機能を使ったコミュニケーション機能もあるが、最大の特長は、ヒロインから告白をされた後の「交際」がゲームの本番という点にある。
コナミのプロデューサーである内田氏によると、ヒロインの女の子を次々と攻略する事が目的の大半だった従来の恋愛ゲームを「肉食系男子」と例えると、ラブプラスは女の子から告白されるのを待つ「草食系男子」のゲーム、であるらしい。
告白されるまでは数時間で到達できるが、恋人となった後、永遠に続く恋愛生活こそがそゲームの醍醐味なのだ。
エンディングが無い
上で”永遠に続く恋愛生活”と紹介したが、ラブプラスにはエンディングが無い。ヒロインと恋人関係になったあとは、エンドレスで毎日が続くのだ。ここも、ヒロインを攻略したらそれで終了という従来の「肉食系」とは異なる。
内田氏によると、ラブプラスでは劇的な変化は起らないが、コミュニケーションの濃淡により生じる彼女の変化を感じられる、という。キャラクターの個性を制作側が押し付けるのではなく、彼女の中から個性を発見してゆく事が、エンドレスに日常を続けられる楽しみのようだ。
発売後に人気が急上昇
ところでラブプラス、事前人気はさほどでは無かったようだ。
魅力であるゲーム性が事前情報だけでは伝わり難かった事が原因で、体験会などを通じて徐々に話題となったが、発売前の予約は少なめだったという。
それが、発売後4日間で約4万7800本を売上。アマゾンの売上ランキングでも9月24日現在でもファイナルファンタジーに次ぐ2位に位置。初回特典物などはオークションでプレミアムが付く人気のようだ。恋愛ゲームとしては異例のヒットだという。
その人気の原動力となるのがネットへの書き込みだという。「2ちゃんねる」では発売5日目で約150件のスレッドが立ち、mixi日記の注目キーワード1位になったりもした。
このネット人気に関しては、内田氏は「現実の日時と連動しているため、すべてのプレーヤーが同じ日に浴衣姿のキャラに会ったりする。ネット上なら同時に同じイベントで共感でき、相談できるので盛り上がる」と説明する。
これは確かに面白いだろう。体験の共感が得られ易いネットで、現実時間と連動するイベントにより、説明をしなくても同じ体験をした人間が集まる。そこで想いを発散し合うことが出来れば、それが恋愛事であればなおさら楽しいだろう。
思い立ったら居られなくなり、近所の大型家電店に走ったところ残念品切れ。アマゾンでの品切れ状態で、当面はゲームの入手からクリアする必要がありそうだ。
参考
- ラブプラス – KONAMI
- 日本男子ラブプラス化計画 – ラブプラス化計画実行委員会