本記事は、2011年5月20日に掲載された、G-Search sideB記事を再掲載しています。
最近、男性の趣味と思われていた分野に女子が参入してくるケースが目立っています。
例えば、鉄道ファンの「鉄子」、歴史ファンの「歴女」、意味合いが異なってきますがカジュアルに登山を楽しむ「山ガール」なんて言葉もあります。
さて、そうした中「カメラ女子」なる言葉も登場しているのをご存知ですか?
今回は「G-Searchの新聞・雑誌記事データベース」で、カメラ女子を調べてみました。
カメラ女子とは?
カメラ女子とは文字通りカメラを趣味にする若い女性の事です。
新聞記事によると、旅先や日常の風景をカメラで撮り、公開するブログなどをよく見ますが、そうした写真を撮っているうちに、もっと良い写真を撮りたい、もっといいカメラを使いたい、と、思うようになり一眼レフカメラを扱い出す女子が多くなったそうです。
スタイルとしては一丸レフカメラを肩から提げて、旅行先はもちろん街中でも気になる風景をパチパチと撮っていく、といったもの。
カメラ女子が男子と比べて違うのは、男子がカメラの性能や画質にこだわりを持ってるのに対して、カメラ女子は、被写体から感じることを大事にする事です。構図や技術よりも「自分らしさ」がポイントとなります。
露出オーバー気味だったり、ピントがぼけたり、手ぶれしたり、技術的な見方からすると失敗作と思える作品も、カメラ女子のゆるやかな世界観から近ければ成功作となる。ピントが曖昧になったことで、心地よい雰囲気や切ない気分が表現されるという訳です。
実際、カメラ女子からの現像を受ける写真店には、プリントする際の注文として「柔らかく」「淡い感じで」という指定が多く、いわゆる『ゆるかわ』の写真がカメラ女子の中では流行っているようです。
ブームを牽引した雑誌「カメラ日和」
カメラ女子のブームをけん引しているのが隔月刊誌「カメラ日和」(第一プログレス)です。
歴史は古く、2004年11月に季刊で創刊。自身もカメラ好きだった矢島編集長は、新聞記事で「当時はカメラ雑誌といえば男性向けばかり。もっとかわいらしい写真を載せたり、撮った写真をどう楽しんだらいいか提案する雑誌を作りたかった」と振り返っています。
写真雑誌とはいえ、女性向けのファッション誌やインテリア雑誌のコンセプトを誌面に取り入れており、創刊号では、カフェ店員が自分で撮影した写真でカレンダーを作った例など、日常で写真やカメラを楽しむ姿を紹介したそうです。
宣伝費をほとんどかけなかった創刊号ですが、発売後10日ぐらいで売り切れになる書店が続出。ブログユーザが「女性向けの写真雑誌の創刊」として紹介する「口コミ効果」が大きかったようです。
カメラ女子向け雑誌から一眼カメラまで登場
カメラ女子をターゲットにした雑誌やムック本は他社でも多く発売されています。宝島社から発行されるムック本「Loveカメラ」はこれまでシリーズ11冊を数え、販売部数は累計30万部と好調です。その他にも、カメラに関する女性向けのムック本や、おしゃれな写真の撮り方のハウツー本が続々と刊行されています。
内容はやはり、一眼レフカメラの使い方などカメラ操作の解説に加えて、撮影した写真をつかって色々な雑貨を作ったりする方法が紹介されています。同じ写真雑誌でも男性向けと比べて構成が大きく違う所が興味深いです。
そうしたカメラ女子の増加を見てカメラメーカーも動きを見せ、女性にも使い易いコンパクト一眼レフが各社から発売されています。
これらコンパクト一眼では、従来の一眼レフと同じくレンズ交換などができ、本格的な写真がとれますが、どれも軽量でスッキリとした女性が持ち歩きたくなるようなデザインが特長です。広告の内容も明らかに女性をターゲットとした内容で、販売店で取り扱う面積も広く、新ジャンルのカメラとして定着したようです。
従来の一眼レフカメラは、本体重量が500グラムを超えるものが多かったですが、オリンパスイメージングやパナソニックをはじめ各社で軽量の製品を売り出し、世界最軽量をうたう(11年5月現在)パナソニックのLUMIXからは、本体従量が265グラムという商品まで登場しています。
価格も昔と比べるとかなり安くなっていますので、ブログなどされる方はこの機会にコンパクト一眼レフを検討されては如何でしょうか?サイトの見栄えが変わること間違えなしですよ。