本記事は、2010年4月2日に掲載された、G-Search sideB記事を再掲載しています。

3月に開かれたワシントン条約締約国会議で、大西洋(地中海)産クロマグロの国際取引禁止案が否決され、何かと話題を集めた「クロマグロ」。

今回は「クロマグロ」について、G-Searchの新聞・雑誌記事横断検索を使って調べてみます。

「クロマグロ」が条約の議題になるってどういうこと?

まずワシントン条約とは「絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約」です。

ジャイアントパンダなど、絶滅の恐れがある種は条約の「付属書1」に記載され、「付属書1」に記載されると、国際的な商取引が全面禁止されることになります。

大西洋クロマグロは蓄養の影響で、74年に約30万トンあった資源量が現在8万トン弱と激減していることから、モナコが2009年10月「付属書1」に入れるよう提案しました。

結果はご存知の通り、付属書改定に必要な出席した加盟国の3分の2以上の賛成が得られなかったため輸出禁止は否決にいたっています。

日本での「クロマグロ」人気、輸入禁止になるとどうなる?

その昔「クロマグロ」は近海産しか食べられない高級魚でしたが、1960年代末にマイナス60度の船内冷凍技術が開発されてから遠洋漁業のマグロが急増しはじめたのです。

高度経済成長で日本人の食生活が豊かになったこと、2年間は味が変わらないといわれるほど冷凍技術が発達したこと、それに円高が進んだことなども相まって輸入は増え、今では世界で漁獲されるクロマグロの約8割を消費する最大消費国になっています。

もし輸出禁止ともなれば、クロマグロの国内流通量は半減するともいわれ、影響は大きいに違いありません。

ただ現在は消費低迷で在庫が豊富なため“中長期的には供給不足や価格高騰は避けられない”が“マグロパニック”は起きないとの見方もあるようです。

現に大手回転寿司チェーンの社長は「景気低迷に伴う売れ行き鈍化で、ものすごく余っている。禁輸となっても2年分くらいは十分な在庫があり、すぐになくなることはない」と話しおり、当面の影響は軽微とみているようです。

2年分の在庫って。。

苦節40年、大西洋以外の「クロマグロ」にとってかわる?「クロマグロ」!

今日本では「クロマグロ」の養殖技術の研究が進んでいます。

完全養殖で世界の先頭を走るといわれているのは近畿大学の水産研究所。研究所がマグロ養殖を始めたのは、なんと1970年。今から40年前のことになります。

海で取れた体長約20センチのヨコワと呼ばれる子マグロを飼い始めたが、約20年間は失敗の連続、その間に技術を向上させついに2002年に世界初の完全養殖に成功しました。

現在、完全養殖のマグロは東京都と神奈川県を中心に店舗を持つ中堅スーパー8店舗で、昨年9月から販売されています。気になるのは価格、大トロが100グラム2380円、中トロが1580円、赤身が1280円と天然物と同じ水準で、蓄養マグロより5割ほど高いお値段です。

また横浜市の回転寿司では、土曜日限定で近大マグロの解体ショーを開き、販売を始めています。ここで使われる近大マグロは、同研究所が卵から孵化(ふか)させた体長130センチ、重さ約50キログラムで、にぎり2000貫分になるとのことです。

日本の技術が世界をリードする局面に来ていると話される、近大農学部教授。
消費者が手ごろな値段で食べられるのも夢ではない!?

輸入禁止も否決され、2年分の在庫もあり、養殖技術も日進月歩で進んでいることから、回転寿司からマグロがなくなることはなさそう、とちょっとひと安心。

それでも大西洋・地中海産の8割を日本で消費している事実には驚きました。
節度をもって食べないと、反省しました。

参考