建設業界や繊維業界、食品業界など、専門分野の業界情報は、インターネット検索だけでは十分な情報を探すことは意外に難しいものです。業界の垣根を越えた商談展開をするビジネスパーソンが押さえておきたい、業界情報の便利な「探しかた」をご紹介します。

業界情報の収集には、業界紙(専門紙)が役立つ

専門業界のお客様と商談を進める際、取引先自体の活動情報はもちろん、その業界の動向や技術に関する最新トレンドなど、業界特有の専門用語を知っておくことが、スムーズな商談推進に役立ちます。このような業界情報の収集に最適なものが「業界紙(専門紙)」です。

業界紙は、業界関係者を読者ターゲットとして、その分野の詳しい情報を扱う新聞です。全国紙には掲載されないような専門的な情報や、よりニッチな業界動向や最新技術情報などの、より実践的な専門知識を得ることができます。 複数の業界との商談機会が多い営業パーソンであれば、取引相手の業界のホットな話題やや最新トレンドを押さえておくことで会話を広げることもできますし、相手に対する説得力も変わってきます。

また、特定業界へ向けた営業活動においても、「競合企業がその業界でどのようなビジネス展開をしているか」、「業界として抱える課題は無いか」など、その業界の周辺情報の深堀にも業界紙が役に立ちます。

業界紙の読み方・探し方

さて、このような業界紙の情報は、どのように入手すればいいのでしょうか。一番は、業界紙を購読することです。また、各社のホームページでも一部の記事を掲載するケースが増えています。これらを定期的にチェックすることで最新情報の収集ができます。

ただし、特定のテーマに関する情報収集をする場合、新聞紙面やホームページ情報を見るだけでは、必要な情報を取りこぼす恐れがあります。複数の業界をウォッチする必要がある場合は、よりリスクが高まります。このような場合は、G-Searchデータベースサービスなど、新聞記事データベースの利用をお勧めします。

これは、新聞社や通信社の記事をデータベースとして収録したもので、新聞の掲載記事をGoogleのような簡単なインターフェースで検索することができます。また、数多くの業界紙・専門紙が検索対象として揃っており、それらを一度に検索できるために、効率的な情報収集ができます。

G-Searchデータベースサービス

http://db.g-search.or.jp/
日刊工業新聞や化学工業日報、鉄鋼新聞、政党機関紙など、40紙以上の専門紙・業界紙の記事データベースを利用できます。

記事検索を使った業界情報の集め方

では、新聞記事データベースではどのような情報が調べられるのでしょうか。

たとえば、ITサービスを手がけている企業が、これまで提供していなかった建設業界へ向けてサービスを展開したいと考えた場合、業界紙の記事データベースを検索することで、建設業界のどのようなシーンでIT技術が活用されているか、他社の活動や業界全体としての取り組み状況が見えてきます。

また、業界が抱える課題とその解決に期待されているIT技術の利用事例も、専門紙の記事から知ることができます。

検索のイメージとしては、「IT」、「建設業」「導入 OR 活用」といったキーワードの組合せが考えられます。

実際に検索してみると、ITを活用することで人手不足を解消した事例や、建設現場でのドローンを使った測量の試みなど、各社による取り組みを多数見つけることができました。こうした記事をまとめることで、建設業界における最新のIT導入事例集をつくることも可能です。

◆記事例

  • 建設担い手不足、無人化が解消 ダム工事に自動重機 ゼネコン各社…(2017.01.12 FujiSankei Business i. )
  • i-Con視野にドローン測量実演/4月14、15日に札幌で岩崎フェア(2016.03.18 建設通信新聞)

インターネット検索の普及により「検索」という言葉は日常的になりました。それだけに、GoogleやYahoo!検索で情報が見つからないと、それが情報収集の限界のように思われがちでもありますが、ビジネス情報の収集は、専門的なサービスを使うことで収集範囲を広げることが可能です。

情報収集に行き詰まりを感じた場合は、新聞記事データベースを活用してみてください。