本記事は、2010年2月18日に掲載された、G-Search sideB記事を再掲載しています。

来週、2月22日は「222」が猫の鳴き声「ニャン・ニャン・ニャン」と読めることから「猫の日」だそうだ。

長引く不況で「癒し」が求められてる時代だからか、ここ数年、「ねこ鍋」に「猫カフェ」、「まねきねこダック」などなど、ネットやメディアで取り上げられる猫は数え切れない。
今回は、そんな猫界でも特に有名な「たま駅長」についてG-Search新聞・雑誌横断検索で調べてみることにしてみよう。

たま駅長とは?

「たま」は、和歌山県紀の川市の和歌山電鐵貴志川線貴志駅において駅長を勤めるメスの三毛猫だ。

2007年1月5日、正式に「駅長」の辞令を交付された猫ということでテレビや新聞で取り上げられるようになり、さらに、たまが両足をそろえると前脚の模様がハート型に見え、これを見たら幸せになれるという事でも話題を呼んだ。

また、2010年1月からは駅長職だけではなく、和歌山電鐵の執行役員(エグゼクティブオフィサー)に任命された日本一有名で偉い猫なのだ。

駅長就任のきっかけ

そんな「たま」も、もともとは貴志駅の売店で飼われていた普通の猫であった。

南海電鉄が運営していた頃の貴志川線は赤字路線で、既に廃線が決まっていた。しかし、両備グループの「和歌山電鐵」が設立され経営を引き継いだことが「たま駅長」誕生の最初のきっかけとなった。

その頃、猫小屋が置かれていた場所が経営移管のために、南海の社有地から市の公有地となったため立ち退きを迫られていた。
2006年4月1日、困った飼い主が和歌山電鐵の開業記念式典を終えた後の、小嶋光信社長に「猫たちを駅の中に住まわせてもらえないか」と相談した事が次のきっかけとなった。

この時、「たま」と目があった社長は、「その瞬間、ピカッとたまちゃんの駅長姿が頭にひらめきました」と惚れ込み、駅長に任命することになったという。

猫好きをくすぐる完璧な駅長っぷり

たま駅長の人気を支えているのは、その完璧なコスプレや、なりきりぶりであろう。
駅長への任命に際には正式な委嘱状が交付されたというし、執行役員に任命された際にも、同社のホームページを見てわかるが実際にその名を連ねているという
完璧さ。

また、服装も特製の駅長帽と金色の名札も支給されており、特にその帽子は実際の社員が使っている物を小ぶりにしたもので、
小さ過ぎて作るのが難しく、完成までに半年を要したという小さな大作だ。こういう細かいところに猫好きはくすぐられるわけだ。

そんな、たま駅長の経済効果は2008年10月時点の就任1年試算で11億円にものぼる。
写真集や関連グッズの売上だけでなく、一時は廃線が決まっていた貴志川線の乗客を3年足らずで10数%増加させることに成功したというから、たま駅長はまさに福を招く猫だったという事であろうか?これからの活躍にも期待したい。

参考