本記事は、2009年12月17日に掲載された、G-Search sideB記事を再掲載しています。

相変わらず新型インフルエンザが猛威をふるっている。
最近は周りでも、インフルエンザにかかったという話をよく聞く。

幸い筆者はまだかかっていないが、ワクチンを打とうにもまだ対象者にも入っていない状況である。忙しい年末ということもあり、なんとしてもインフルエンザを予防したい。

インフルエンザの主な感染経路は、飛沫感染(患者の咳やくしゃみに含まれるウイルスを吸い込むこと)といわれている。

また、接触感染(ウイルスが付着した手で、口や目などの粘膜に触れることによる感染)もあるという。

つまり、インフルエンザの感染を防ぐには目、鼻、口などの粘膜にウィルスを付着させないことが重要である。

そんな時まず思いつくのがマスクである。

街中でもマスクをしている人が目立ち、ドラッグストアではさまざまな形状、価格のマスクが売っている。CMでもマスクの新製品が目に付く。

G-Searchの「新聞・雑誌記事横断検索」を使って最近のマスク事情を調べてみた。

前年比79%増が見込まれるマスク市場

新聞記事を調べると、富士経済による市場予測が掲載されていた。

それによると、「家庭用マスクの市場は、花粉症対策として平成15年から拡大したが、新型インフルエンザの流行が報じられた今年春からは売れ行きが加速。21年は前年比79%増の340億円が見込まれる(富士経済)」という予測がなされている。

この不況の中、すごい売れ行きである。
このようなマスクの需要増大により、各社でさまざまなマスクが開発されている。

  • 完全密着タイプ
    耳バンドではなく、シールで固定するタイプのマスク。口・鼻の周囲前面に密着し、細菌やウイルスの飛散や侵入を防ぐ。呼吸にも支障はないという。
    鳥のくちばしのような形で、外で使うには少し勇気がいりそうだが、密着しているので、確かにウイルスの侵入は防げそうだ。
  • 抗ウイルスタイプ
    ウイルスを減らしたり破壊したりできる機能を持つフィルターを挟み込んだマスク。フィルターには天然鉱物、漆喰、ナノフェライト(空気清浄機や冷蔵庫の消臭にも使われる超微粒子磁性体)など、ウイルスに効果があるとされるさまざまなものが使用される。
    ウイルスを通さないだけでなく、マスクでウイルスを減らしたり、無害化もできるとは驚いた。守るだけでなく攻めるマスクである。

異業種からのマスク市場への参入

また、異業種からも参入が相次いでいる。

製紙メーカーでは、ティッシュとしても使える低価格マスクが開発され、繊維メーカーからはマスクについたウイルスの感染力を弱めたり、洗濯して繰り返し使えたりする素材が登場している。

エアコンのメーカーは、空気清浄機やエアコンのフィルターなどの技術をマスクにも応用するそうだ。

さまざまな業界がマスク特需にねらいを定め、開発に力をいれていることが伺える。

インフルエンザの流行は早く収まってほしいが、調べているうちに色々なマスクを試してみたくなってしまった。

年が明ければ花粉症の季節が控えている。マスクの進化はまだまだ加速しそうだ。

【追記】

専門家によると、「マスクの装着は、手洗い、せきをする人の二メートル以内に近づかない、免疫力を高める、栄養バランスのとれた食事などと同列。予防するには、これらを実直に素直にやり続けることだ。マスクへの過信は禁物」との声もある。

たしかに、高機能マスクは飛沫感染を防ぐためには頼もしいが、マスクをしても、ウイルスがついたところを触った手を洗わずものを食べたりしては意味がない。手洗いなどの地道な努力もする必要がありそうだ。