本記事は、2009年2月12日に掲載された、G-Search sideB記事を再掲載しています。

スポーツのナショナルチームには、WBC日本代表の「サムライジャパン」や日本女子サッカーの「なでしこジャパン」のように”愛称”がつけられることが多くなった。

2008年北京オリンピックでの「反町ジャパン」(男子サッカー)や「フェアリージャパン」(女子新体操)は記憶に新しい。最近ではスポーツ界だけでなく、さまざまな分野で”愛称”や”ニックネーム”をつけられているようだ。

今回は『新聞・雑誌記事横断検索』を使って、そんな”愛称”の中からユニークなものを中心に紹介する。

”愛称”とは

国語辞書で”愛称”を調べてみると、「本名以外の親しみをこめて呼ぶ呼び名」となっている。同義語としては、”呼び名”、”ニックネーム”、”通り名”などがある。

子供の頃、たいていの人は一度は”呼び名”、”あだ名”で呼ばれていたことがあるのではないだろうか。”呼び名”には、辞書の意味にもあるとおり『親しみをこめて』という意味合いが強いと思われる。

より呼びやすい、覚えやすい呼び方を付けることで、そのチームを身近に感じてもらい、多くの人に応援してもらえるようにすることが目的の一つのようだ。

企業の宣伝用の”愛称”

”愛称”にはもう一つ別の意味を持つ場合がある。それが、数年前より流行しはじめた”ネーミングライツ”という手法である。

これは、スポンサーである企業が、その企業名や製品名、ブランド名をスポーツ施設などの名称にする権利のことであり、日本では2002年に東京スタジアムのスポンサー企業が内定したのが公共施設として初めての事例である。

スポーツ中継などでは必ずその”愛称”で呼ばれるため、大きな広告効果をとなる一方で、これらの命名権は期間を限定しているケースが大半であり、期間満了後は元の名称になったり、別の企業が命名件を獲得したりするなど、定着する前に名前が変わっていることもしばしば見受けられる。

個人の”通り名”

では、実際にどんな”愛称”があるのだろうか。

『新聞・雑誌記事横断検索』で”愛称”もしくは”ニックネーム”をタイトルに含む記事を検索したところ、1万8千件を超える記事がヒットした。

その中でも特に多かったのが、スポーツ選手の”あだ名”である。特にユニークなものを以下にあげる。

◆野球◆

  • 「マー君」
    → 現東北楽天ゴールデンイーグルスの田中将大選手
  • 「おかわり君」
    → 現埼玉西武ライオンズの中村剛也選手
  • 「ゴジラ」
    → 現米大リーグヤンキースの松井秀喜選手
  • 「世界のホームラン王」
    → 通算本塁打数の日本記録保持者である元巨人の王貞治氏
  • 「世界の盗塁王」
    → 通算盗塁数の日本記録保持者である元阪急の福本豊氏
  • 「安打製造機」
    → 通算最多安打の日本記録保持者である張本勲氏

◆サッカー◆

  • 「キングカズ」
    → 日本の現役最年長プロサッカー選手である三浦知良選手
  • 「ボンバー」
    → 現横浜Fマリノスの中澤佑二選手
  • 「ゴン中山」
    → Jリーグ選手協会名誉会長である現ジュビロ磐田の中山雅史選手
  • 「皇帝」
    → キャプテン、監督の両方でW杯制した唯一の人物である元ドイツ代表のベッケンバウアー氏
  • 「王様」
    → 生涯で1281ゴールを記録する20世紀最高と称される元ブラジル代表のペレ氏
  • 「カーリーヘアの天才児」
    → 不世出の天才レフティーとして知られる現サッカーアルゼンチン代表監督マラドーナ氏の現役時代の”愛称”

そのほかのユニーク”愛称”

それでは、スポーツ以外の”愛称”ではどのようなものがあるだろうか。

北海道小樽の中央通りは公募の結果「セピア通り」に決まったが、新聞記事によると公募作の中には「小樽のすたるじっく街道」や「オヨヨ通り」などのユニークなものも寄せられたそうである。

他にも、JR境線は「鬼太郎列車」と呼ばれる車両が走り、駅も妖怪にちなんだ”愛称”を全駅に付けている。

”愛称”から”代名詞”へ

ここまでさまざまな”愛称”を紹介してきたが、これらの”愛称”は逆にいうと各個人、団体の”代名詞”になっているものが多い。

たとえば、サッカー界の「王様」といえば”ペレ”であるし、「ハニカミ王子」といえば”石川遼選手”のことを指す。また、ヘッドホンステレオや電子オルガンのある商品のように、もともとは一つの商品を指す”製品名”が”愛称”として親しまれ、そしてそれがその製品を代表する”代名詞”となるケースがある。”名称”を考えた人からすればこれ以上にうれしいことはないのではないだろうか。

遠い夢のような話ではあるが、「データベースといえばG-Search」と呼んでもらえるような日が来ることを願うのと同時に、何かを調べようとしたときに「G-Searchを使えば有益な情報を得ることができる」と思ってもらえるようなサービスを作っていかなければならないとあらためて感じている。