本記事は、2012年2月29日に掲載された、G-Search sideB記事を再掲載しています。
2011年の夏ごろから、「塩麹」がブームである。
本屋では塩麹のレシピ本が平積みされ、スーパーでは今まで見かけなかった「麹」や「塩麹」が売られるようになった。
今回は、G-Search新聞・雑誌横断検索を使って「塩麹」を調べてみることにしてみよう。
「塩麹」とは
塩麹とは、麹と塩を混ぜて発酵・熟成させた、日本伝統の万能調味料である。
「塩麹」というキーワードが初めて新聞に出たのは1997年であるが、ブームの起こる2011年夏までは、手作り味噌の材料としての「塩麹」という記事が主で、調味料としての「塩麹」が出始めるのは2011年春くらいからで、この頃に相次いで出版された「塩麹」のレシピ本がブームの火付け役であったことがよくわかる。
作り方は、まず乾燥麹と、麹に対して重量で1/3~1/4程度の塩を混ぜる。次にそれにヒタヒタになるくらいの水を加える。あとは常温で10日~2週間程度発酵させれば出来上がり。
麹の粒が溶けてきて、水分がトロトロになれば発酵した証拠だ。簡単で、材料費も安価の上、瓶などでしっかりフタをして冷蔵庫で保管すれば半年は保存可能という優れものだ。
作り始めてから1週間程度かかるのが難点であるが、最近では、既に発酵させた完成品がスーパーなどで売られるようになったので、今まで気になっていたけれども、、、という人も使うようになったのではないだろうか?
人気のヒミツ
そんな塩麹の何がいいのだろうか?
まず、ひと口舐めてみたところ、熟成しているのでトロリとしてコクがあり、出汁の利いた塩味と甘みが交じり合った、複雑な味であった。
塩麹に使われる麹には、麹菌がつくりだした酵素と呼ばれる物質がたくさん含まれている。酵素は、食材に含まれるデンプンやタンパク質を分解して食材を柔らかくすると同時に、糖やアミノ酸やグルタミン酸などを作り出し、食材に甘味や旨味(うまみ)をもたらす。こうした酵素の作用に乳酸菌や酵母の働きで生まれる味も加わって、最終的には多くの味覚要素が合わさった味となる為、食材を普通に食べた時より多味で深く美味しく感じられるようになる。
これに肉や魚を漬けると、安い食材も高級食材に変身し、そのまま野菜にかけたり、スープやソースの隠し味としても、何となく美味しく仕上がるようだ。
基本的には、塩の代わりに使えば、いいのだが、面白いメニューとしては、次のようなものが挙げられる。
- パスタの調味料
- 即席のイカ塩辛
- 豆腐の塩麹漬け
- 麹ラッシー
隠れた健康パワー
また、塩麹はビタミン(B1、B2、B6)が豊富で疲労回復効果が期待できる他、ストレスを受けた神経の興奮を鎮めるアミノ酸GABAが入っているので、ストレス軽減にもつながる。
さらに、発酵食品であるので、乳酸菌や酵母などの微生物の働きで、整腸作用や排便効果、それによる美肌効果、抗酸化作用による免疫力のUPやアンチエイジング効果も期待できるそうだ。
美味しくて、お手頃で、健康や美容にも効果のある万能調味料「塩麹」のブームはまだまだ続き、今後も日本の食卓に定着しそうである。