本記事は、2010年10月15日に掲載された、G-Search sideB記事を再掲載しています。

10月21日に開業する羽田空港新国際線ターミナル。5階建ての新ターミナルの延べ床面積は東京ドーム3個分の広さで約100店舗が入居する。

『日本』を強く意識し、江戸の町並みを再現したショッピングエリアや、アニメなどのキャラクターショップが並ぶフロアを整備したそうだ。
今後、ハブ化を目指す羽田空港について「G-Searchの新聞・雑誌記事横断検索」で調べてみた。

32年ぶりの国際定期便

現在、羽田空港からの国際線は4都市(北京、上海、香港、ソウル)を結ぶ不定期のチャーター便のみだが、10月末からハワイやサンフランシスコ、パリなど14都市に定期便が就航する。さらにその後も就航都市を増やす予定だそうだ。

都心から近く、国内線との乗り継ぎも便利な羽田空港だが課題も多い。
一つは発着枠の少なさで、9万回まで増加しても首都圏の需要すらまかなえない。さらに割高な着陸料が海外の航空会社にはネックになっている。羽田は韓国・仁川空港より約4倍も高いそうだ。

ハブ空港って?

羽田空港新国際線ターミナル開業でよく耳にするのが「羽田空港のハブ化」という言葉。

「ハブ空港」とは、国際線の乗り継ぎ拠点となる空港のことで、自転車などの車軸を指す「ハブ」という言葉が由来である。米ニューヨークのジョン・F・ケネディ空港、英ロンドンのヒースロー空港などが有名だ。
ハブ空港があれば、世界中から人が集まり、経済が活性化する効果が期待できる。

今までなぜハブ空港がなかったのか。成田空港は滑走路が2本しかなく発着枠に制限があり、さらに騒音対策で24時間発着できない。また羽田との乗り継ぎは電車で移動しなければならず、そのアクセスも悪いのが理由だ。

実際、地方空港から欧米に行く場合、乗り換えに不便な成田ではなく、韓国・仁川経由で出かける人も多いという。「日本の」ハブ空港が仁川空港になっていると前原国交相も問題視しているそうだ。

成田空港では

羽田空港の国際化で危機感を覚えているのが、成田空港だ。その成田空港は国や千葉県などと年間発着枠の増加に合意した。現在の22万回から30万回へ増える。増枠分は格安航空や国内線に割り振られる見通しだ。
記者会見で森田健作・千葉県知事は「成田がアジアでナンバーワンのグローバル空港となるよう、一層連携を強固にしていきたい」と強い意気込みを示した。

バンコクや韓国・仁川にアジアのハブ空港としての役割を奪われてきた成田空港の復権を強く意識しているようだ。

もちろん、羽田にも負けるわけにはいかないだろう。

今回の羽田空港国際化で会社帰りにちょっと海外旅行へ、ということも可能になるという。
近場は羽田から、欧米には成田からとうまく使い分けていきたいものだ。

参考