本記事は、2009年7月31日に掲載された、G-Search sideB記事を再掲載しています。
毎日暑いですね。朝、満員電車を降りて、ホームから改札へ向かう階段を上っていると・・・クサイ。前方から汗の臭いや体臭が降りてきます。暑い、混んでる、臭いの三重苦です。
そんな朝、電車の広告で見かけたある臭い抑制商品。出社してすぐに、G-Searchの『新聞・雑誌記事横断検索』で調べてみました。
「Tシャツ1枚で約6畳分の空気を消臭!!」
このキャッチコピーにグッときました。広告で見たのは「デオシーム」という“悪臭を防ぐ縫い糸”。生地に織り込むのではなく、縫製に使っているそうです。Tシャツ1枚にデオシームの糸を150mも使うことで嫌な悪臭を消すことができるとのこと。
このデオシームの優れたところはもう1つあります。「選別消臭能力」といって、カラダから出る嫌な臭いの原因となるものに対して消臭力を発揮して、いい匂いは残すそうです。男性用の下着や、スポーツウエアとしてすでに市場では人気商品となっている様子。
「匂い」ではなく「臭い」
新聞記事・雑誌横断検索の結果を見ると、特に加齢臭への関心の高さがうかがえるヒット件数となりました。オフィスの男性全員がこのTシャツを着てくれたら、男性特有の臭いも、加齢臭も、汗臭さもないさわやかなオフィスに大変身!クールビズで服装を意識する男性が増えたからなのか、注目すべきは「匂い」ではなく「臭い」に関する記事が増えている点。周囲の人からどう見られるか意識が高くなってきているのかもしれない。
中高年に特有の臭いとして有名なのが「加齢臭(かれいしゅう)」。資生堂の研究所によって解明された体臭成分ノネナールという物質が原因らしい。皮膚にある皮脂腺に脂肪酸が増え、過酸化脂質と結びついてノネナールという物質になるようだ。そしてこの物質、男女関係なく40歳代以降に増加する可能性があるそうで、男性特有の臭いとはまた別物とのこと。
キーワード | 加齢臭 | 体臭 | 防臭 |
---|---|---|---|
2009年 | 121件 | 186件 | 147件 |
2008年 | 125件 | 232件 | 250件 |
2007年 | 144件 | 254件 | 268件 |
2006年 | 68件 | 256件 | 368件 |
特に「加齢臭」についての記事は2009年に途中で2008年に迫る勢いで急増しており、関心の高さを見ることができます。
着る消臭剤
おもしろい商品として、「着る消臭剤」も発売されています。カラダ(肌)に直接スプレーする制汗スプレーや、衣類のニオイを取るスプレーとは違い、この商品は着る前の衣服にスプレーして体臭をガードするそうです。
下着、洋服、靴下などの体臭が気になる部分に20cmほど離して全体に湿り気を帯びるくらい吹き付け、完全に乾いたらいつもどおりに洋服を着ていいそうです。そうすると体臭の通り道となる衣服に残ったIon活性イオンが、ニオイ分子を瞬時に中和分解して無臭化。汗臭、ワキ臭、加齢臭などすべての体臭に97%以上の消臭効果を発揮するそうです。
不況しらずの加齢臭ビジネス
新聞に「加齢臭ビジネス」と表現されることもある防臭商品市場は、不況の影響を受ける事もなく好調。市場規模は3年前の1.5倍にも拡大しています。人からどう見られるか、を気にする現代人を反映した結果となっています。加齢臭やアンモニア臭を抑える商品がとても多く、大学病院の医師が繊維メーカーと共同開発した、においを周囲に広げない「消臭パンツ」も商品化されています。この防臭商品市場、一般利用の他にも、スポーツ、介護と広範囲でニーズがあり、今後ますます好調になる気配です。
新商品を開発して、一山当てたいですね。
参考
- イオンダッシュ – 昭和化学工業HP