本記事は、2009年5月28日に掲載された、G-Search sideB記事を再掲載しています。

ちょっと前の話ですが、インターネット上に「おかずがあるのに、ごはんにふりかけをかける夫にイラッとする」 なんてトピックスがありました。

妻の言い分としては
「ふりかけはおかずが無い時の代替物なので、おかずがある時に使うのは失礼」
夫の言い分は
「ふりかけもおかずの一つだから問題ないのでは?」
と真っ二つ。

どうやら食事を作る側の思い入れもあって、簡単には割り切れない模様。ちなみに、同じ題材を取り扱った別のWebサイトでは丸美屋の広報の方にまで質問していました。それによると「ふりかけはおかずではない」とのこと。おお、なるほど。ためになりました。

さて、前置きが長くなってしまいましたが、今回の話題は「ふりかけ」。ごはんのお友です。SideBコラムでも「卵かけご飯」を取り上げてますが、どうやら最近の節約ブームに乗ってふりかけも再評価されてるみたいです。

さっそく、G-Searchの『新聞・雑誌記事横断検索』で調べてみました。

ふりかけはいつごろから「ふりかけ」られていたのか

ふりかけの起源ですが、実ははっきりとしていません。ごはんにふりかける、という広い性格をもつ食品なので明確な起こりというものはなく、 昔から全国で似たようなものが食べられていたのでは?と筆者は(勝手に)推測。

ふりかけのルーツと言われているのが大正初期に熊本で考案された「御飯の友」。日本人のカルシウム不足のため、小魚の骨を粉末にして青ノリやゴマを混ぜたものだったそうです。ちなみに、この商品は日本ふりかけ協会公認の「元祖」です。

さらに大正末期ごろ、焼津地方に売られていたものをヒントにし、イシモチのそぼろを干したものを「是はうまい」というネーミングで東京の”丸美屋”が売り出しました。当時は結構な値段をしたそうですが、評判を呼び全国に広まっていったそうです。ちなみに、戦中の慰問用として贈られたこともあるそうで、当時の人気の高さが伺い知れます。

戦後、同丸美屋が1960年に海苔とたまごの『のりたま』を売り出し、大ヒット。当時は海苔とたまごが高級品なイメージを持っていたこともあって一躍人気に。以後、現在まで続く「ふりかけの代名詞」となっています。

時代に合わせて変化するのりたま

由緒正しいロングセラーふりかけの「のりたま」。変わらぬ味わいと思いきや、実はほぼ10年に1度パッケージや味、食感も変化しているのだとか。

具体的にはたまごをふっくらにしたり、時代や健康志向に合わせ減塩やカルシウムを配合したり。トレードマークのニワトリも、時代を経るに連れてシンプルで可愛くなってるそうで、ちょっと意外。

内食ブームでふりかけも再評価

折からの食品値上げや、産地偽装問題などの背景もあって、家庭内でのごはん需要が高まっています。外食を控え、おうちで食事、あるいはお弁当を持参して・・・という場面で、安くて手軽、そしておいしいふりかけが見直されている様子です。それに、ふりかけってお弁当のごはんにも良く合いますよね。

お弁当ブームに追い風を受け、ふりかけ市場も3年連続で拡大中。各メーカーもかわいい容器で女性層を獲得したり、香りや食感にこだわった生素材の高級品を展開したり、「カレーふりかけ」などの新味を売り出したり、顧客獲得に向けて余念がありません。

醤油の代わりにかける「たまごかけごはん専用ふりかけ」なんて商品も人気のようです。これからどんな新しい味のふりかけが出るのか、個人的に楽しみです。

色々あるぞご当地ふりかけ

コラムを書くにあたって調べたところ、「ご当地ふりかけ」なるものがあるのを見つけました。全国各地の個性溢れるふりかけをいくつかご紹介します。

■北海道・・・じゃがバターふりかけ
北海道のじゃがいもを粉末にしたふりかけ。バターの風味が食欲をそそる。ポテトチップのような食感もグッド。

■大阪・・・たこ焼きふりかけ
大阪といえばたこ焼き。紅しょうがにかつおぶし、青ノリ入りでおそらくソース味?

■栃木(宇都宮)・・・餃子ふりかけ
餃子の街といえば宇都宮。にんにくとニラ、ラー油風味の餃子味。

■和歌山・・・くじらふりかけ
今や高級肉な鯨をぜいたくなふりかけに。紅しょうががアクセント。

■沖縄・・・・ゴーヤーチャンプルーふりかけ
沖縄名物料理。ゴーヤーが入っているわけではなく、ゴーヤーのりが入っている様子。

・・・何かもうなんでもアリな気がしてきました。「ふりかけ」を「キャラメル」に変えたら北海道あたりで売ってそうかも!?