京町屋を再生!不動産投資におけるフィンテック活用の可能性

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2017年5月26日、不動産クラウドファンディング・サービス「Crowd Realty」(クラウドリアルティ)で、同サービスにおいて国内発案件となる「京町家再生プロジェクト」が資金募集を開始しました。清水寺などが位置する京都市東山区五条坂下エリアの京町家をリノベーションすることを目的として立ち上げられたプロジェクトです。
このプロジェクトに寄せられた反響は大きく、募集開始からわずか1ヶ月後の6月26日時点で目標金額7,200万円を達成しており、不動産投資家をはじめ多くの人々から注目されている様子が伺えます。
本記事では「京町家再生プロジェクト」について具体的に取り上げつつ、不動産投資におけるフィンテック利活用の可能性を紹介します。

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Crowd Realty(クラウドリアルティ)とは?

はじめに、Crowd Realtyがどのような特徴をもつサービスであるのかを解説します。

多用な不動産関連のプロジェクトを立ち上げ可能

Crowd Realityは、株式会社クラウドリアルティが運営するクラウドファンディングプラットフォームです。
プラットフォーム上では古民家などのリノベーションから、施設建設を目指した土地取得まで、多様な不動産関連プロジェクトの立ち上げが可能となっています。

クラウドファンディング形式での資金調達方法を採用しているため、プロジェクトの規模に合わせて少額からの資金調達が可能です。出資者の側にとっても小口投資が可能となるため、魅力的に感じたプロジェクトへ投資をおこないやすくなるというメリットがあります。
また、Crowd Realtyがサポートするのは、プロジェクトを通じた資金調達だけではありません。プロジェクト終了後も不動産から安定して収益を上げられるようなシステムづくりをおこなうため、運営・マーケティングといった事業についてもサポート体制を確立しています。

誰にでも利用しやすいプラットフォーム

Crowd Realtyのようなプラットフォームは、不動産投資を活発化させるうえで欠かせない存在だといえます。従来、不動産を証券化して資金を調達するためには、資金の受け皿となる「投資法人」をあらかじめ設立しておく必要がありました。しかし、実際に法人を設立するまでには多くの費用と時間が必要です。そのため、資金力に乏しい個人や事業者、団体が不動産投資に参加することは大変困難だったのです。

一方で、Crowd Realtyにおいては既に完成しているオンライン上のプラットフォームを利用するだけで誰もが資金調達をおこなえます。不動産を小口証券化する手間を省力化することが可能となり、不動産を利用して資金調達をおこないやすい投資環境が整えられているのです。

「京町家再生プロジェクト」の概要をご紹介!

ここからは「京町家再生プロジェクト」を取り上げてその概要を紹介するとともに、資金調達方法としてクラウドファンディングが選ばれた理由についても解説していきます。

京町屋のインバウンド向け宿泊施設へのリノベーションが目的

「京町家再生プロジェクト」の目的は、京町家をインバウンド向けの宿泊施設へとリノベーションすることにあります。
調達した資金の用途は、主に京町家の改修資金として、また宿泊施設として安定的に売上を計上できるようになるまでの運営資金としても活用される予定です。

なお、実際の施設運営は古民家のリノベーションに実績のあるトマルバに一任されます。
トマルバは和風とモダンテイストの施設に改修された京町家で、高品質なサービスを提供することにより、高収益を上げようと計画しているようです。こうした取り組みを通じて物件の価値を高めることにより、京町家の売却益を最大化するという狙いがあります。
これらの利益を投資家に還元することで従来の不動産投資の相場より高い利回りを実現しようとしているのです。

プロジェクトへの出資金額は1口5万円、最低3口から出資可能となっています。
利回りは10%(税引前)で、想定運用期間は36ヶ月。このように他の不動産投資と比べても、相対的に高金利に設定されている点が出資者にとっては魅力的だといえます。

銀行は、現時点での不動産価値から融資を判断

京町家再生のための資金調達方法としてクラウドファンディングが選ばれたのはなぜでしょうか。
実は、プロジェクトが立ち上げられる以前から、京町家を買い取ってリノベーションをおこないたいと考える人は多く存在していました。しかし、ほとんどの人は地方銀行や信用金庫から融資を断られてしまい、購入を断念せざるを得なかったのです。

融資が断られた理由には、銀行が現時点での不動産価値を融資可否決定の際の判断材料として重視していることが挙げられます。リノベーション前の京町家の資産価値に基づいて融資が検討されてしまったのです。
もちろん、銀行側からすればこうした判断は、融資未回収のリスクを低減するため必要な予防措置であることは否めません。しかし、京町家の事例をはじめとする物件再生事業は十分な融資を受けにくいという弊害が生じてしまいます。

クラウドファンディングは、成長性を重視して投資

一方で、クラウドファンディングの場合、出資者は現在の資産価値よりも、成長性を重視した投資をおこないます。つまり京町家がどのようなコンセプトの宿泊施設に再生されるのか、事業アイデアが十分に興味深いものであるか、といった将来性が注目されるのです。
このため銀行がリスクを恐れて融資に消極的となっても、クラウドファンディングを使えば資金調達が可能となる場合があります。
つまり、Crowd Realtyのような資金調達プラットフォームは、既存の金融機関が取りこぼしてきた資金需要を掬い上げる役割を担っており、「京町家再生プロジェクト」はこうしたケースのまさに典型例だったといえるのです。

経験がない人も巻き込んで不動産投資を活性化!

実は「京町家再生プロジェクト」に投資しているのは不動産投資の経験者だけではありません。Crowd Realtyが公表している同プロジェクトの投資家プロファイルを見てみると、投資経験が5年以上の人が20%であるのに対し、不動産投資の経験がない人は全体の66%を占めています。

このように既存の不動産投資市場が取り込めなかった人々を巻き込んで、市場を活性化させ発展していく、そうした役割も不動産クラウドファンディングには期待できます。
また、単なる投機マネーとしてではなく、プロジェクトの内容に共感してその成長を見守りたいという考えから投資する人々が増加すれば、不動産投資そのもののあり方が根底から変化していくことになるかもしれません。
さまざまな変革の可能性を秘めた不動産クラウドファンディングに今後も注目したいものです。

参考

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