21兆円市場!公共入札で受注獲得するために知っておくべき入札の基礎

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国や地方公共団体が民間企業に発注している「公共調達」の契約総件数は国等(国及び公庫等)だけで600万件以上、契約実績は国等(国及び公庫等)及び地方公共団体を合わせて21兆円以上と平成27年度の実績が中小企業庁より公開されており、業界別とは異なる独自の巨大市場を形成しています。

「公共調達の入札」というと、建築・土木工事をイメージすることが多いかと思いますが、建築・土木工事はその一部に過ぎず、実際の入札案件は運送業務、人材派遣業務、印刷・デザイン業務、システム開発業務など、ほぼ全業種の業務に及んでいます。しかも、公共調達の入札は、応札資格を取得すれば企業規模の大小を問わず参加できるため、特に中小企業にとっては新規受注獲得の絶好のチャンスといわれています。

入札方式の種類と入札案件の区分

入札は、国や地方公共団体が公共調達を発注する際の契約制度のことで、法的には「国及び地方公共団体の契約は原則として一般競争入札によらなければならない(会計法第29条の3第1項、地方自治法第234条第2項)」、「指名競争入札及び随意契約は法に定められた場合のみ行うことが出来る(会計法第29条の3第3項、第4項及び第5項、地方自治法施行令第167条、第167条の2)」などと定められています。

入札は次の3つに大別されます。

一般競争入札
入札案件を官報などで公告して応札企業を募り、その案件に対して最も有利な落札条件を示した企業と契約する方式。入札の基本的な契約方式。
指名競争入札
応札企業を指名し、その中から最も有利な落札条件を示した企業と契約する方式。過去の契約実績など発注機関の「指名基準」により応札企業数が絞られるので、一般競争入札より落札確率が高い。
随意契約
入札を行わず、発注機関が任意で契約先を決定する方式。随意契約は様々な理由で行われるが、競争入札で落札企業が決定しない場合や発注額が少額の場合が多い。

入札案件は土木、建築、設計、測量などの「工事及び建築のためのサービスその他の技術的サービス」と、事務用品、什器・備品、衣服、システム開発、通訳、イベント運営などの「物品・役務」に区分され、応札資格が異なります。
入札案件は業種ごとに分類して公告されますが、その分類は発注機関により異なります。例えば、国が公告する場合は94分類(平成29年度現在)、東京都の場合は63分類(平成29年度現在)といった具合です。
変わったところでは、外務省が「在外公館配備用規格食器の調達」として和食用磁器、洋食用磁器、銀器、クリスタルグラスなどの高級食器一式を公告したケースがあります。

これら多種多様な入札案件は国、地方公共団体、独立行政法人、国立研究開発法人など数千に上る発注機関から毎日平均3,000件のペースで全国的に発生しています。入札公告に目を凝らせば、自社の特性に適した案件が意外に多い事に気が付くでしょう。

応札から契約までの仕組み

入札の仕組みは国や地方公共団体など発注機関により若干の違いはありますが、基本的には同じで、次のような仕組みになっています。

第1段階 応札資格を取得する

応札するには応札資格取得が必要です。応札資格は概ね3種類に大別されます。

  • 全省庁統一資格……全省庁および一部公庫等共通の資格
  • 地方公共団体資格……自治体ごとの独自資格
  • 公庫等各法人資格……独立行政法人、国立研究開発法人等の独自資格

資格取得には書類提出が求められますが、納税証明書、財務諸表、営業経歴書などは共通の必須書類といえます。なお、応札資格には「等級」が設定されています。これは「応札企業を業務遂行能力(資本金、売上規模、従業員数等)に基づきランク付けしたもので、等級により発注予定金額など応札できる案件が決まります。
このランク付けは、経営体力が異なる大企業と中小企業との同一案件競合を防ぐなど、公正競争確保が目的とされています。

第2段階 自社の資格等級に応じた入札案件を探す

入札案件の探し方には、「企業が自力で探す」と「入札案件情報サービスを利用する」の2通りがあります。
前者の場合は、案件情報収集に手間とコストがかかる上、数千に上る発注機関の案件情報収集はマンパワー的に困難であり、情報収集量が限られるので自社に適した案件を見落とすなどのデメリットがあります。
後者の場合はサービス利用料が必要ですが、これらのデメリットを解消できます。いずれの方法をとるかは、入札に対する各企業の注力度により決まるでしょう。

第3段階 入札仕様書を入手し、応札する

入札案件情報を探し、入札参加の意向が決まれば、その案件の仕様書を発注機関から入手し、仕様書を精査して入札参加の最終意思決定をします。仕様書に基づき算出した見積書と、仕様書指定の応札書類を発注機関に提出します。

第4段階 契約締結

案件を落札したら、発注機関との契約締結に進みます。一般競争入札の場合は通常、最低金額で応札した企業が落札となります。

落札のメリットと応札の意外なハードル

公共調達の応札、そして落札は公共調達を通じた社会貢献の一環であり、自社ブランド向上のチャンスにもなるといわれています。なぜなら、自社公式サイトに掲載する取引先一覧に国、地方公共団体などを掲載すれば、社会的信頼感を得られやすいからです。
また、応札には、

  • 営業経費不要……入札案件は公告されるので、案件探しの営業活動が不要
  • 債務不履行のリスクがない……予算の裏付けがある案件なので、債権回収不能は発生しない
  • 等級対応の案件……自社の経営規模に応じた案件に入札できるので不公正競争はなく、自社の力を存分に発揮できる案件を選べる

などのメリットがあります。

とはいえ、応札にはハードルがあります。

特に中小企業にとって一番高いハードルが応札する入札案件を探すことでしょう。
入札案件を探すためには、「官報」の入札公告、公共調達発注機関公式サイトの入札公告などを毎日チェックしなければなりません。

入札は公告から応札日までの期間が1〜2週間と短いものが多く、公告直後に案件を見つける必要があり、公告から日数が経過した案件を見つけても、既に応札が終わっているケースが多いからです。そのうえ、入札公告から応札日までの間に、案件の詳細情報や仕様書などを受け取る「入札説明会」を日時指定しているケースがあり、この場合は説明会への参加が応札の前提条件になります。

さらに、入札案件を探し出しても、その資格等級や案件仕様書を精査して自社に適した案件なのか、応札のメリットがどれだけあるのかの検討をしなければならず、これにも手間と時間がかかります。

すなわち、応札には自社に適した案件を迅速に収集する能力と、的確に応札するタイミングが必要で、これらに相当な手間とコストがかかることが、応札のハードルになります。

応札のハードル克服策

このハードルを克服するには、前述した入札情報提供サービスを検討してみるのも一つの方策です。現在入札情報を提供するサービスは複数ありますが、それぞれ提供するサービスや機能が異なります。どのサービスを選択するかは、自身が使うシーンや用途にマッチしているかを考え比較検討することをお薦めします。

例えばジー・サーチが提供する「入札公告情報ナビ」は国、地方公共団体、独立行政法人など全国の発注機関が毎日公告する入札案件のなかから、事前に登録した指定条件に合致した入札案件だけを抽出し、公告日即日にメールで配信してくれるサービスです。外出が多く事務所を不在にしがちな方には、メール通知は便利な機能です。

また、他社に比べて最低料金がリーズナブルな価格に設定されているので、ちょっと試しに使ってみようといった場合に高ポイントなサービスです。
自社に適した入札案件を低額料金で自動的に入手でき、案件情報収集漏れも防げるので、入札案件探しの手間とコストを最小限化できるのが特徴です。応札のハードル克服はもとより、自社に適した入札案件情報を効率的に収集する上でも、利用価値が高いといえるでしょう。

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