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花粉症とサヨナラできる?花粉症対策されたスギが登場!

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毎年、地域差はあるものの、2月から4月にかけて飛散が多くなるスギ花粉。この時期になるとくしゃみ、鼻水、鼻づまりや目のかゆみに悩まされている方も多いのではないでしょうか。
そのような方に朗報です。ここ最近は飛散してくる花粉を防ぐのではなく、花粉が出ない「花粉症対策スギ」の生産が進んでいるのをご存知でしょうか?今回はこの花粉症対策スギについて詳しくご紹介します。

年々増え続けるスギ花粉症の発症者数

東京都では10年ごとに花粉症患者実態調査を行い、その結果を発表しています。最新の結果は2017年12月18日に発表されたもので、島しょ地域を除く都内のスギ花粉症有病率は48.8%と、ほぼ2人に1人がスギ花粉症を発症していることになります。有病判定の基準や推計方法の若干の違いがあるため単純比較はできませんが、2007年の調査結果が28.2%だったことから、実に20%以上も増加していることになります。関東でスギ花粉が飛散する期間がほかの地域に比べて1カ月程度長いこともありますが、それでもこれだけの勢いでスギ花粉症を発症している人が増えていることを考えると、飛散してくる花粉を防ぐだけでは抑えきれなくなっていることがわかります。花粉の飛散を抑える根本的な対策が急務であることは間違いありません。

花粉症対策スギとはどういったものなのか?

花粉症対策スギは、花粉をつくる雄花がほとんどできない「少花粉型」と、雄花を付けるが花粉をまったくつくらない「無花粉型」の大きく2つに分けられます。
花粉が少ない、もしくはまったくないといっても、一般的なスギと比べ、苗木の成長の早さや材木としての品質には差はないということで1996年に開発、1999年度に植林用の苗木生産が開始され、林野庁指揮のもと移植が進められています。
この花粉症対策スギの苗木は、2006年までの生産量は微増でしたが、2007年度以降は毎年大幅な伸びを見せており、2016年度には533万本と2年前の2倍、4年前の3倍となっています。この533万本という数字は、同年度のすべてのスギ苗木の25%で、全体の約4分の1にまで増加しています。

最近になって大幅に増産された理由は、苗木の元になる枝先や種子を採取するのに木を植えてから十数年かかるためです。花粉症対策スギの生産が始まった1999年当時の苗木が、最近になって枝先や種子の供給源となるまで成長したことが、苗木の増産につながっているのです。

花粉症対策スギの植林が思うように進まない理由

花粉症に悩む方にとっては夢のような花粉症対策スギですが、問題があります。それは、苗木の生産は増えているものの、植林面積で見るとスギ全体に占める割合は少ないためです。
スギの苗木は一般的に1ヘクタール当たり2,500本程度の密度で植林をします。2016年度の花粉症対策スギの苗木の本数を植林面積に換算すると約2,000ヘクタール。この数字は国内のスギの人工林の面積448万ヘクタール(2011年度)のわずか0.04%にしか達していません。

林野庁としては、時間はかかるものの花粉症対策スギへの切り替えを地道に進めていくとして、2018年度予算案でも花粉発生源対策の事業に前年度と同額の1億1,500万円を計上し、支援を進めていく方針です。それでも花粉症対策スギの植林が進まない最大の理由は、伐採、出荷に適した樹齢に育っている通常スギが、安い輸入木材との競合によって採算が取れず、伐採されないまま放置されていることが挙げられます。
また、スギは育成途中に手入れをする必要があるものの、後継者不足で放置され木材として使い物にならなくなってしまっているといった理由もあります。
これらの背景から、元々植えられている通常スギの伐採が進まず、花粉症対策スギの植林が思うように進んでいません。

現状はまだまだ自らの花粉症対策が必須

花粉症の方にとって、国内のスギが花粉の飛散しないスギに代わればこんなにうれしいことはないでしょう。しかし、現状の植林状況を見ると、すべてのスギが花粉症対策スギになるには、まだまだ長い時間がかかります。

花粉症対策スギのほかにも、アレルギーの元になるスギの雄花の花粉を餌に繁殖するカビを混ぜた液体をスギの成木にまき、花粉を出させないという実験も進んでいますが、これも実用化にはまだ時間がかかりそうです。現状では、花粉症対策スギの植林が進むことを期待しながらも、これまで通り、自らがしっかりと花粉症対策を取ることが一番良いということになるでしょう。

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