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新たなビールが次々登場、酒税法改正で変わったビールの定義とは?

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2018年4月1日、酒税法が改正されました。今回の酒税法改正における最大の目玉は、ビールの定義が大きく変わったことです。
これまでビールとは、麦芽比率が全体の3分の2(約67%)以上のものとされ、それ以下のものは発泡酒とされてきました。これが今回の改正により、50%以上であればビールと表示できるようになります。
また、果実、香辛料、ハーブなどもビールの原料として認められるようになります。今回はこのビールの定義の変更を中心に、私たち消費者のとってどんな影響が考えられるのかご紹介します。

発泡酒がビールに?新たなビールの定義とは

今回の酒税法改正、もちろん税率の改正が基本ではありますが、それ以上に大きなインパクトがあったのが新たなビールの定義が定められたことです。新定義は、私たち消費者だけではなくメーカーにとっても大きな影響を及ぼすことになります。
では、具体的に新たなビールの定義について、これまでのビールの定義と比較しながら見ていきましょう。

  • 旧ビール(2018年3月31日まで)
    • 麦芽比率:全体の3分の2(約67%)以上
    • 使用できる原料:必須原料:麦芽・ホップ・水
    • 副原料(※):麦・米・とうもろこし・こうりゃん・ばれいしょ・でん粉・糖類またはカラメル
  • 新ビール(2018年4月1日以降)
    • 麦芽比率:50%以上
    • 使用できる原料:必須原料:麦芽・ホップ・水
    • 副原料(※):果実、コリアンダー・コリアンダーシード、香辛料(胡椒、山椒など)、ハーブ(カモミール、バジルなど)、野菜、そば・ごま、含糖質物(蜂蜜、黒糖など)・食塩・みそ、花、茶・コーヒー・ココア(これらの調整品を含む)、牡蠣・こんぶ・わかめ・かつお節 ※追加副原料の重量合計は、麦芽重量の5%まで

この違いを見てもわかるように、これまでは発泡酒と呼ばれていた麦芽比率が50~66%で、果実、香辛料、ハーブなどの副原料を使ったものが4月からはビールに分類されることになります。
つまり、新たなビールの定義を定めたことで、これまでのビールと発泡酒を分類する境界線が変わるということです。麦芽比率が50%を超えないもの、そして50%を超えていた場合であっても、使用する副原料の重量が麦芽重量の5%を超えているものは、今後も発泡酒に分類されます。

また、ビールの新定義を定めたのに合わせ、発泡酒の定義も変更されます(2023年10月1日より)。これまで発泡酒の定義とは麦芽を使用したものという一点だけでしたが、今後はこれに加え、ホップを使用したもの、その他のビール類似商品、エンドウたんぱくを使用したもの、ホップを使用した発泡酒に麦スピリッツを混和したものが追加になります。

ビールの定義が大きく変わった背景とは

今回、ビールの新たな定義を定め、発泡酒との境界線が変わった理由として、酒税額が大きく影響しています。そもそもビールと発泡酒の酒税額は、それがビールだから、発泡酒だからといって違っていたわけではなく、麦芽比率によって分類されていました。具体的には麦芽比率が50%以上か以下かによって酒税額が違っていたのです。
一般的に発泡酒はビールに比べ価格が安いといったイメージがあると思います。実際、麦芽比率が50%以下の発泡酒はビールに比べ約15~30円近く酒税額が抑えられています。しかし、麦芽比率が50%以上の発泡酒は実はビールと酒税額が変わりません。そのため、分類上は麦芽比率50%以下の発泡酒と同じであるにもかかわらず、酒税額はビールと同じということで、その分価格も高めになっていました。この格差の是正がビールの新定義を設けた大きな理由のひとつです。

ビールの新定義を定めたもうひとつの理由としては、国内のビール産業の国際競争力強化につなげるという意図が挙げられます。
現在、日本のメーカーは酒税額の安い発泡酒の製造・販売を中心に経営資源を投入しているといった現状があります。この現状を改め、麦芽比率が50%以上でビールと同じ酒税額の発泡酒をビールと定義することに合わせ、ビールの酒税額の引き下げを行います(2020年10月に350mlで77円を70円、2023年に63.35円、2026年に54.25円)。この2つの施策により、海外にも通用するビールの開発競争を促そうという側面があります。

地方創生、選択肢の拡大、新たなビールが変えるもの

ビールの定義が変わり、ビールの範囲が広がったこと、そして将来的に酒税額の引き下げが行われることで、メーカーはこれまでにない魅力的なビールの開発に力を入れることが可能になります。

実際、キリンでは副原料にレモンピール、コリアンダーシード、すだち、かぼすなどを使ったビールを4月以降に続々と発売すると発表。サントリービールはオレンジピール、カシスなどを使ったビールを、サッポロビールはオレンジ、グレープフルーツピールを使ったビールを、そして、アサヒビールもレモングラスを使ったビールを発売するなど、販売を拡大し、新たな顧客獲得に向けた競争が始まっています。

また、それ以外のメーカーでも、ヤッホーブルーイングがこれまで輸出専用に製造していた、副原料にかつお節とオレンジピールを使ったビールの日本発売を決定しています。盛田金しゃちビールでも、これまで名古屋名物の豆みそを配合した発泡酒「金しゃち名古屋赤味噌(みそ)ラガー」を、4月からはビールとして販売を開始しています。

ほかにも、今後新たな地方創生の起爆剤として、地域の特産品を副原料に使ったビールを製造するメーカーが出てくれば、国内のビール市場が大きく活性化してくことが予測されます。そうなれば私たち消費者にとってはビールの選択肢が広がることになります。また、メーカーにとってもこれまでビールを敬遠していた層を獲得する大きなチャンスといえるでしょう。

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